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書院

まずは最初の一歩から

入門系、啓蒙書です。いろいろな意味での初心者向け。
『アシモフのうそみたいな本当の話』『道教』
『知識人とは何か』

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dot 『アシモフのうそみたいな本当の話』

I .アシモフ / 草土本社
--- 歴史の合間に見え隠れする逸話集 ---

いきなりこれです。書店に注文しないと入手できない本。ただし、これは面白い。はしばしにユーモアが効いている。私はこれで歴史にのめり込み、人生を決めました。作者は科学者(化学・天文学・文学・歴史学他)兼SF作家。


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dot 『道教』

H .マスペロ / 平凡社
--- わっつ道教 ? ---

ここ数年、昔の東洋学者達の古典的研究がぽつぽつと復刊されています。このマスペロというフランス東洋史学の泰斗の研究も嬉しいことに復刊されました。道教研究で有名ですが、ベトナムの文献史料整理と基礎研究を行った学者でもあります。
中国文学方面を専攻していた知人にそれとなく聞いてみたら、こんなに解りやすく道教の思想を説明した本は他にはないよ、ただちょっと解釈が古いところもあるけれどね、とお墨付きをいただきました。私の読後感でも確かに入門編に良いようです。


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dot 『知識人とは何か』

E .W .サイード / 平凡社
--- 正しいと思うことを語れ、おもねることなく ---

BBCの講演をもとにしただけあって、分かり易い内容になっている。知識人とはどういう存在か、どのようにあるべきか、というサイードの"知識人"観が示される。
"知識人"を自認する人でなくとも、このサイードの掲げる自己省察と世界観の相対化への不断な努力をしなくてはならないだろう(たとえ、それがサイードの立場や政治的姿勢と真っ向から対立するとしても)。「正義とは何? あなたは正しい? 自分は正しい?」と問いかける姿勢は、信ずべきものの少ない情報の洪水から選択肢を選ぶ上で必要となるはず。
ただし、そこから先、公の場で問いを口にでき、妥協することなく、権威に唯々諾々と従わないでいるのは、あまりにも難しい。だからこそ、知識人はサイードの言う知的亡命者・故郷喪失者なのだといえる。
知識だけの似非"知識人"である自分、あるいは"知識人"になり得ない己れに対して、やましさを植え付けられる本かもしれない。それはそれでいいことなのだろう。天狗よりはましというものだ。


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